パソコンが古い。買い替えたほうがいい?——年数より確かな3つの判断軸
「動くけれど、もう古い」パソコンを買い替えるべきか。使った年数ではなく、セキュリティ更新が届いているか・故障の前兆が出ていないか・延命できる機種かの3つで判断する方法を整理します。
「パソコンは動くんだけど、もうだいぶ古い。買い替えたほうがいいのかねえ」——先日、ある経営者の方からこう聞かれました。
よく分かります。壊れていないものにお金を出すのは、誰でもためらいます。かといって、仕事の道具が急に止まるのも困る。
このとき「何年使ったか」で考え始めると、答えが出ません。5年で快調な機体もあれば、3年で危ない機体もあるからです。年数の代わりに、次の3つを順に見てください。
軸1: セキュリティ更新が、まだ届いているか
いちばん重要で、いちばん見落とされている軸です。
パソコンは、OS(WindowsやmacOS)のメーカーがセキュリティ更新を配り続けることで安全が保たれています。攻撃の手口は毎週のように新しくなるので、更新が止まったパソコンは「鍵が壊れたままの事務所」に近づいていきます。見た目は普通に動くのに、守りだけが止まる——ここが厄介なところです。
具体的には、Windows 10 のサポートは 2025年10月に終了しました。延長プログラムはありますが期限つきの一時しのぎで、終わりの日が少し延びるだけです。
もうひとつ、OSのサポート終了と同じ流れで起きるのが、業務ソフトが使えなくなることです。会計ソフト、ブラウザ、オンラインバンキング——ソフトを作る側も、古いOSを順次サポート対象から外します。「更新できません」「動作対象外です」という表示が出始めたら、それはパソコン全体が期限を迎えつつあるサインです。
この軸に引っかかったら、症状が何もなくても買い替えを考える段階です。
軸2: 故障の前兆が出ていないか
次は、機体そのものの健康状態です。次のような症状は「そろそろ壊れます」の予告と考えてください。
- 起動に数分かかる。ファイルを開くたびに待たされる
- ファンの音が明らかに大きくなった。カラカラ・カリカリという異音がする
- バッテリーが膨らんでいる(本体やキーボードが浮いてきたら危険です)
- 使っている途中で、突然電源が落ちることがある
怖いのは症状そのものより、壊れてから買い替えることになることです。動いているうちなら、データや設定を新しい機体へ移してから引退させられます。壊れてからだと、データの救出から始まり、業務は止まり、費用も時間も余計にかかります。
軸3: 延命できる機種か——修理・増強との損得
「買い替えず、直して使う」が正解のケースもあります。分かれ目はここです。
延命が効くケース: 比較的新しい機体(目安として Windows 11 に上げられる機種)で、遅さだけが不満なら、部品の増強(記憶装置をSSDに・メモリを追加)で見違えることがあります。費用は買い替えの数分の一で済みます。
お金をかけないほうがいいケース: そもそも Windows 11 に上げられない古い機体です。部品を替えて速くしても、軸1のセキュリティ更新の問題が解決しません。ここに修理代を足すのは、車検に通らない車のタイヤを新調するようなもので、残念ながら順番が違います。
自分のパソコンが Windows 11 に上げられるかどうかは、Windows Update の画面に案内が出ているかで、おおよそ分かります。
まず、これ1つだけ
会社のパソコンが Windows 10 のままかどうかを確認してください。タスクバーの検索窓に「winver」と入力すると、小さな画面にバージョンが表示されます。
- Windows 11 なら、当面は軸2(故障の前兆)だけ気にすれば大丈夫です
- Windows 10 なら、そのパソコンはすでにサポートが切れています。症状がなくても、入れ替えの計画を立てる段階です
「うちのはどっちだろう」「この型番、延命できる?」と迷ったら、相談窓口で機種名を添えて聞いてください。買い替えが不要なら、不要とお答えします。